がん患者団体支援機構

イベント情報

第13回がん患者大集会での質問票に対する回答

開催日: 2017/12/16

先般のがん患者大集会でいただいた質問票に各先生からご回答をいただきました。
個人的質問にはお答えできませんので、その旨ご了承くださいませ。
尚、全てのご質問にお答え出来なかった事お詫び致します。お答え出来る可能の範囲で答えさせて頂きました。
治療内容等のご質問は今一度主治医にご相談いただくか、各病院の相談支援センターにご相談されてはいかがでしょうか。
また私どもではピアサポータ―による相談業務も以下のように実施していますので、そちらもご利用くださいませ。
相談場所:武蔵野赤十字病院、都立駒込病院、世田谷区保健センター

ピア相談

【中村祐輔先生からの返事】

1.K.Tさんより質問
前立腺がん、ステージ4です。遠いところからいらして戴き、貴重なお話をありがとうございました。
①リキッドバイプシーによる遺伝子情報解析が、身近なものとなってきていることを興味深く伺いましたが、遺伝子解析で得られた情報は、他の国や研究者にも公開されているのでしょうか?
A:多くの患者さんの治療に役立つように、個人情報をすべて隠して(匿名化して)公開するのが、世界的な方向となっています。多くの患者さんの役立たせるには、大切なことだと思います。

②これによって、腫瘍縮小効果がみつかったネオアンチゲン免疫治療は、一時的なものでしょうか?
薬を飲み続ける必要があるのか、完治が見込まれるのかを知りたいです。
A:基本的には、続けていくのがいいと思います。なお、ネオアンチゲン治療は、注射です。完治が見込まれるかどうかは、やってみないとわかりませんし、個人差があります。

③アメリカでは多くの治験が行われているということですが、
日本から受けに行くことは大変でしょうか? アメリカ以外の可能性もありますでしょうか?
A:ネオアンチゲン治療に関しては、来年の夏以降、日本でできるように考えています。

2.N.R(立場:家族)さんより質問
現状・・・父がすいがんで現在中村先生のがんペプチドワクチン治療を行っています。
①免疫療法と相乗効果が期待できる治療は何か?
A:ワクチン療法と相乗効果が期待できるのは、ニボルマブ(日本での商品名;オブジーボ)だと考えています。

②ワクチンの投与回数及び効果が出るまで期間は?またその効果確認方法は?
A:数ヶ月から1年くらいかかります。

③WTIとURLC-10、CDCA-1の違いは?
A:私たちはWT1を利用したことがありませんので、わかりません。

④血液採取からの遺伝子解析してもらうには現状どうすればいいですか?
A:これは研究レベルのものであり、一般の患者さんにはまだ利用できません。

3.匿名希望(立場:患者)さんより質問
注射したリンパ球は患者の中でずっと生き続けるのですか?もとからのリンパ球と戦ったりがん化したりしないでしょうか?遺伝子ゲノムを書き換える事で完治を目指せるというニュースもあるが、それとワクチンとでは今後どちらが主流になっていくのでしょうか。
A:生きている場合とすぐに死んでしまう場合があるようです。この違いの理由はわかっていません。
ゲノムの書き換え(編集)で、がんを治すというのは、がんを知らない人たちの戯言です。
再発予防はワクチン、進行がんはT細胞受容体導入T細胞療法が私の描いている未来像です。他にいい方法が出てくるかもしれませんが、予測はできません。

4.匿名希望(立場:患者・体験者)さんより質問
がん細胞だけに発現するキナーゼに対する分子標的薬の現状はどのように発展しているのでしょうか。
A:シカゴ大学とコーネル大学で急性骨髄性白血病(注射)
MDアンダーソンがんセンターとコーネル大学で乳がん(経口薬)
の治験が進行中です。

5.匿名希望(立場:家族)さんより質問
当初 標準治療(手術+抗がん剤)
G3 再発 6か月後再手術 → 手術+免疫細胞治療→10年生存(治癒)
質問① 当初から抗がん剤ではなく免疫細胞治療を行う方が効果が高かったと考えられますか。
  ② 自由診療の結果も臨床研究材料(リアルワールドエビデンス)として活用できないか。
A:①については、これだけの情報ではお答えできません。
②自由診療もしっかりとしたものであれば、中央で情報管理すれば役に立つと思いますが、現状では、国のルールではないので、エビデンスとして採用されることにはならないと思います。

6.肺がん患者会 ワンステップメンバーさんより質問
分子標的薬で治療した患者に免疫チェックポイントが効きにくいと言われている。根拠とこの後効果がでるゲノム医療の開発はありますか。
A:肺がんで分子標的治療薬に対応するタイプは遺伝子変異数が少なく、その他のがんでは遺伝子変異数が多い傾向にあります。一般的には免疫チェックポイント抗体は遺伝子変異数の多いがんに効きやすいので、そのため、差が出ているのではと推測されています。今後、免疫チェックポイント抗体を効きやすくする方法の開発が進むと思います。

7.匿名希望さんより質問
(中村先生に)リキッドバイオプシーで再発の予兆も画像より早く見つけ的確な治療に結び付けていくとのことですが、血液中のDNAの異常はどのがん種でも等しく出てくるものですか。それともがん種によって若干の差などはあるものでしょうか。
A:血液中で検出されやすいがんとされにくいがんがあります。大腸がんや肺がんは見つけやすく、脳腫瘍は見つけにくいという報告があります。もちろん、進行がんの方が、早期がんよりも検出されやすいです。

【澤祥幸先生からの返事】
8.O.J (立場:患者・体験者)さんより質問
今年の2月に胃がんにて胃全摘手術を受けました。退院後検査結果にてステージⅢbでした。抗がん剤治療を開始しています。副作用がとても辛くて悩んでいます。薬との付き合い方を教えてください。
A:治療を受けている主治医、薬剤師、看護師と十分なコミュニケーションをとって副作用を伝えてください(できるだけ、がん専門の担当者に)。治療や薬により付き合い方やアドバイスが異なります。

9.S.M (立場:患者・体験者・家族・遺族)さんより質問
①仕事(弾性着衣販売)の関係から30~55才の女性患者と接することが多いです。その実感としては家族・親戚・子供・職場との関係悪化をおそれて声をあげられない人は多数います。こういう人のサポートはどうすればいいのでしょうか。アドボカシーへの参加強制は出来ないと思いますか?
A:よりよい人間関係作りのコミュニケーションスキルを患者さんと市民がもつことで、地道に少しづつ問題解決していきましょう。相談にこられたら是非アドバイスしてあげてください。アドボカシーは強制するものではありません。

②資金調達・・・日本でもピンクリボン運動が拡がってきていますが他のがん患者からするとすべてのリソースが乳がんサポートにとられてしまうという不満もあります。この点のご意見は?
A:気持はよくわかりますが、リソースは取り合うものでなく、分け合うものです。

③Dr澤はがん患者について義務>権利とおっしゃいましたが私の所へ来る患者さんは行使できる当然の権利の行使すら遠慮している人が多いです。そういう人にも患者教育として義務>権利と指導なさいますか。
A:話の流れを取り違えられているようです。今一度、今回講演したアドボカシーを御熟考ください。そもそも患者教育とか指導という考え方ではいけません。お互いを尊敬し共感と共有を大切にしましょう。

10.I.T (立場:ジャーナリスト)さんより質問
現在日本では民間クリニックによる免疫療法が問題視されています。正しい免疫療法との見分け方をご教示ください。
A:保険適応のある治療が、エビデンスがある治療です。それ以外は、信頼できるのは治験や臨床試験という形で、しかるべき審査を受けた治療までです。

11.匿名希望さんより質問
夫が肺小細胞ガンです。放射線、抗がん剤の標準治療中です。小細胞ガンに対して免疫療法で効く治療についてはあまりエビデンスがありません。今後どのような治療(免疫療法)ができるようになるか情報が欲しいです。
A:2つの免疫抗体薬の組み合わせや、抗がん剤と免疫抗体薬の併用が臨床試験で検討されています。使えるようになるかどかは、臨床試験結果によります。