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アピール文(第3回がん患者大集会)

数えきれないほど多くの先輩や仲間たちが「痛い。苦しい。いっそ、殺してくれ!」と、もがき、叫びながら亡くなっていきました。
愛する人を失って、いちばん悲しいその時、家族たちは、肩を落とし、小さな声でつぶやきました。
「やっと、楽になれたね。よかったね」こんな光景が、なぜ、日本ではいつまでも続くのでしょうか。
WHOが「がんの痛みは9割とれる」と発表し、日本でもWHO方式をとり入れてから、もう十年以上がたちました。
なのに、きのうも、きょうも、この光景は現実に繰り返されています。いったい、だれに責任があるのでしょうか。
私たち患者にも、多少の責任があります。私たち日本人は、痛みを我慢することは美徳だと教えられてきました。女性は、お産の時、どんなに痛くても、我慢するものだといわれました。男性は、さらにお気の毒でした。「男のくせに・・・」とすぐいわれます。なおさら本当のことがいえませんでした。
医師への遠慮も、ありました。でも、これから、私たちは我慢しないようにします。痛い時は痛いと、率直にいいます。そして適切な緩和ケアを受け、前向きで、人間的に生きられる時間をふやしていこうではありませんか。
医師や看護師、医療関係者の皆さまにもお願いがあります。私たち患者に間に合うよう、一日も早く緩和ケアについてお勉強してください。チームを組み、あらゆる角度から患者を守ってください。
病院だけではなく、自分の家でも十分な治療や緩和ケアがうけられるようにしてください。
行政はそのための施策や予算を、惜しまないでください。緩和ケアが、治療と並行して受けられるようにしてください。
詳細な提案は、別紙に添付いたしますが、要項だけを、読み上げさせていただきます。
最後に申し上げます。
今年は「がん対策基本法」が施行された年です。この記念すべき年を、日本の緩和ケア・飛躍の年にしたいと願います。

       2007年8月26日
  第3回がん患者大集会・広島
  NPO法人・がん患者団体支援機構
           理事長・俵 萠子 

私たちのアピールに、ご賛同いただけますでしょうか。ご賛同いただけるなら、どうぞ拍手でお答えくださいませ。

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「治療の初期段階からの緩和ケア実施」に関する要望  
   2007年8月26日 第3回がん患者大集会・アピール 
1、「すべてのがん診療に携わる医師に緩和ケアの基礎知識を習得するための研修」を、国の施策として3年以内に実施すること。
2、全てのがん拠点病院、及び多数のがん患者を擁する主要病院において、緩和ケア病棟の設置、あるいは緩和ケアチームの結成の義務づけを要望します。
3、在宅での緩和ケアについて体制整備を急いでほしい。
在宅緩和ケアの専門的な研修を3年以内に実施すること。
在宅緩和ケアを促進するきめ細かな診療報酬の面での見直しを要望します
4、国民に対して「がんの痛みはもう我慢しない、我慢させない」という大々的なキャンキャンペーン・啓発活動を行うことを要望します。そのための予算を計上してください。

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