がん患者団体支援機構

患者団体支援事業のお知らせ

第16回がん患者大集会 ご質問への回答

掲載日: 2020/12/31

第16回がん患者大集会の講演につきましてのご質問をありがとうございました。
花田敬士先生と森実千種先生の回答を掲載いたします。

花田敬士先生への質問
(質問1)
家族性膵臓がんのお話がありましたが、母が膵臓がんですが、子供や兄弟はリスクが高まったと考えてよいのでしょうか?
花田敬士先生からの回答
第一度近親者に1名の場合リスクは4.6倍、2名の場合は6.4倍、3名の場合は32倍と報告されています。従って、お母様が膵癌に罹患されている場合、御自身のリスクは4.6倍となりますね。現時点で明確な指針はございませんが、当院では最低年1回、がん検診の腹部エコー、血液検査等を受けて頂くようお奨めしています。

森実千種先生への質問
(質問1)
膵がんを化学療法のみで完治させることは実現可能でしょうか?
森実千種先生からの回答
局所進行状態にある膵臓がんの方が、化学療法で腫瘍縮小が得られ切除可能となり完治に至る、というケースは見受けられますし、効果の高い抗がん剤も増えてきた昨今ではそれほど珍しい話ではなくなってきました。しかし残念ながら化学療法のみで膵臓がんを完治させることは現状では難しいと考えられています。将来的にすい臓がんを薬のみで完治できる時代が来るかもしれませんし、それが我々の夢でもありますが、まだもう少し先になりそうです。
(質問2)
すい臓がんステージ4で、三年間ゲムシタビン+アブラキサン(こちらは副作用が強くなると休みました)の治療を続け、その間転移先の肝臓にも膵臓にも変化がなく12月に手術を受けることになりました。膵体尾+脾臓を取る手術です。2/3も膵臓を取った後、体はどうなるのでしょうか?膵液の分泌は体に合う分だけ出るのでしょうか、今後何に気を付ければよいのでしょうか?
森実千種先生からの回答
膵臓は消化液とインスリンを産生する臓器ですので、膵臓を切除したあとは消化不良で下痢や体重減少が起こったり、血糖コントロールが難しくなったりする可能性があります。そのような場合は消化を助ける薬や、血糖をコントロールする内服薬やインスリンなどで対応します。普段の生活では脂っぽい食事をさける、甘いものを多量に食べないなどの注意が必要になるかもしれませんが、必ずしも皆さんに起こるとは限りませんので術後の状態を主治医に判断してもらって、個々の体調にあった対策をご相談ください。これらの問題点に術後は悩まされるかもしれませんが、徐々に生活スタイルやリズム、上手な薬の使い方などが見つかり、克服されている方が多いです。