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特定非営利活動法人がん患者団体支援機構 理事長 鳥越 俊太郎 |
こんにちは。がん患者団体支援機構の理事長に、この5月に就任いたしました鳥越です。
ご存知のようにこの団体は、故三浦捷一先生が大阪でがん患者大集会という形で立ち上げられました。 それから発展して、支援機構が今回で第5回の大集会を迎えることになりました。その間、第2代理事長の俵萠子さんが昨年お亡くなりになり、実は大集会のわずか3日前にお亡くなりになったわけですけれども、その遺志を継げというふうに私が言われました。今回は昨年の倍の18会場を結んでこのテレビ会議システムという大変便利なものを使用して大集会を行います。今年は、インフルエンザのパンデミックの問題もありまして、どの会場も多少人数制限をさせていただいていることもありますけれども、各会場ともおそらく満員になっていることと思います。 この18会場を結びまして、私たちのがんを巡るそれぞれ思いや、意見、こうして欲しい、ああしてほしい、こうしたい、ああしたい、こういうような意見を活発に繰り広げていきたいと思います。 今日は、私は、東京からこうやって中継しておりますけれど、北海道から沖縄まで流れておりますので、みなさんぜひ活発なご発言をよろしく御願いいたします。 理事長になりまして第1回目ですので、どういう風になるのか私も未経験です。非常に短時間ですけれども、多くの方々の中身のある、がんに関するそれぞれの思い・意見を、ご発言いただければ大変うれしく思います。 |
第5回がん患者大集会 実行委員長 逸見 晴恵 |
逸見晴恵でございます。よろしく御願いいたします。主人が亡くなったのは16年前ですけれども、いみじくも俵萠子さんが亡くなる前に言っていらした言葉が今すごく思い出されます。それは、がん告知をされてなかったからこそ、日本の医療というのはなかなか進まなかった、ということです。主人が亡くなった時には3割くらいの人しか本人には告げられない、そのような実態でございました。
今は当たり前に、あなたはがんですよ、と言われる時代でございますけれども、それを自分が知って、そしてみんなで考えながら治療をしていく、というように変わっていったと思います。 そして今日の大テーマは「変えていきます、見届けます、私の町のがん医療」ということですが、ではどういうことをみんなで声をあげようか、ということになりまして、以下の3つをアピールします。 「1,当事者同士が支え合う重要性を訴え、そして行政や専門家と連携して自ら行動していきます。」 これをまず一つ、アピールしたいと思います。 「2,がんを知り・向き合い・負けない社会実現のため、私たちの望むがん政策に積極的に参画します。」 これを二つ目にアピールしたいと思います。 「3,患者・家族が普通の生活を送れるような就労環境の整備を望みます。」 この3つをまとめてみました。 これをぜひ今年のアピール文にしたいと思います。 |
厚生労働大臣政務官 足立 信也 様 |
全国のみなさん、こんにちは。私が厚生労働大臣政務官の足立信也でございます。といいますか、5年半前までは消化器外科医で胃がんを専門に治療をして参りました者でございます。その関係もあり、第1回目、第2回目の全国のがん患者大集会に参加させていただきました。先ほど、お名前がでました三浦さんの姿が今も目に浮かびます。今年は18会場で行われる、その中には私の地元の大分県立病院も入っているようでございます。今朝、その横を車で通り過ぎて上京して参りました。せっかくの機会ですから、私の、あるいは厚生労働省の考えを多少述べさせていただきたいと思います。
まず、がんにならないこと、一次予防をどうするか、という話でございます。これはもちろん、ワークライフバランス、あるいは食生活、そこに基本があるわけでございますが、科学としてはがん予防ワクチンというものに取り組まなければいけない。先ほど鳥越理事長から新型インフルエンザのお話がありましたけれど、ワクチンは万能ではない、ということもまた認識していただきたい。いま日本では子宮けいがんに対するワクチンの研究、あるいはがん発生そのものに関わる研究が進んでおります。しかしながらワクチンというのはおそらく20年くらいかけて、本当にそれが有効であったのか、調べなければわからないことでございます。例えば、結核のBCG、これも20年かけて欧米で研究がすすめられ、適当であるという結論にはならなかった、というふうに私は認識をしております。日本はほぼ100%BCGをうちますけれど、しかし新規の結核患者は欧米に比べて10倍くらい多い、これは一体何なのか?ということもあります。ワクチンについての認識をやはりしていただかなければならないと思います。 次に大事なことは早期発見、早期治療です。そのための検診の向上、われわれは5年間で検診率を50%以上にあげる、と。この前全国の意識調査がございましたけれども、やはりまだ30%台に留まっております。しかしながら、妊娠の時に検診をする方、あるいは通常の通院の過程で検査を受ける方、その方々は非常に多くいらっしゃるわけです。ここに保険医療としての検診の在り方、あるいは国の補助の在り方、いま5歳刻みではありますけれども、女性特有のがんに対するクーポン券というものをやっております。来年も続いて行う予定でございます。 そしてがんになられたとき、病を治すには、治る過程では、治癒という言葉があります。治すことと癒やすこと、この2つを同時にやることが私は大事だと思います。そしてまた一人ひとりが違った病態を持っております。テイラードメデイシンという言葉がございますが、その一人ひとりの違いを見つけるのは病理医にかかっているところが大きい。しかしながらその病理医が非常に少なく、そして一人ひとりの違いを見つけることもなかばボランティアのような形でやらされてしまっている。来年の概算要求で病理医に対する手当というものを盛り込んでおります。 そして病気の一次治療が終わった後は、如何に再発、転移を防いでいくか、そのフォローアップを如何にやるか、日常的に・・。いまがんを初めとして30疾患くらいのガイドラインができあがっております。効率的にそして正しく再発予防を図るためにはどうすればいいか、という研究が進んでいることだと思います。 先ほど逸見さんとお話をしておりまして、医療を提供する側と医療を受ける側の情報の格差がなんとしても治療を邪魔しているのではないか、この事は医療事故の問題においてもそうでした。私は、自己決定権というのが極めて大事だと思っております。そのためには、正しく説明し、それをできるだけ理解できるような工夫が必要です。医療法の改正に向けても私は取り組みたいと思います。自己決定権によって自らの治療を選ぶ、というところができれば、その前提としての情報の共有ということが欠かせないことだと私は思います。 終わりになりますけれども、本日患者大集会の開催にご尽力をいただきました方々に改めて私の方から敬意を表したいと思います。本集会が、大きな成果をあげられることを祈念いたしまして、お祝いの言葉とさせていただきます。 |
国立がんセンター総長 廣橋 説雄 様 |
各会場のみなさん、こんにちは。国立がんセンターの廣橋です。このようなご挨拶の機会をいただき、ありがとうございました。このたびがん患者大集会が昨年にひき続き全国のがんセンター間を結ぶ多地点テレビ会議システムを利用して開催されることを大変うれしく思います。 昨年の会では、各地域、ブロックでの患者、家族、支援者の会の活動が事前から入念に準備され、情報が共有されて連帯の輪が広まったということを私自身実感いたしました。それが今年は、多地点テレビ会議システムにつながる会場がさらに数が増えて発展しています。この様な活動では、成果をあげている地域から学び、そして継続するということが何よりも大事だと思います。この活動を支えておられるみなさんに心より敬意を表します。 さてがん対策推進基本計画もすでに第1期のなかばを過ぎました。初心に戻り進捗状況を点検し、本大会のテーマ「変えていきます、見届けます、私の町のがん医療」の現場まで本当にこの改革が十分及んでいるか、確認しなければならないと思います。枠組みは出来ましたが、まだ地域がん医療の生きた連携が十分実現していないなど、課題は残っております。がん診療連携拠点病院が核となり、他の医療機関とともに地域医療連携体制を作り、その枠組みを成功させるためには行政からのさらなる支援が必要ですが、がん患者とその支援者の積極的な参加、これも大きな力となります。本会などの活動を通じて広がっている連帯の輪を深め、がん医療がさらに患者本位のものとして向上することを心より念願しています。そして国立がんセンターとしてもその連帯の一角を担いたいと思いますのでよろしく御願いします。 |
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