がん患者さんへ
がん免疫療法について
この度の本庶佑先生のノーベル医学生理学賞受賞に対して心よりお祝いを申し上げます。
先生の基礎研究を基に開発された免疫チェックポイント阻害剤により新しいがん治療の道が開かれたことは多くのがん患者に希望の光をもたらしました。
しかし、一口に免疫療法といっても、エビデンス(科学的根拠)のある厚生労働省で承認された免疫療法とほとんどエビデンスのない自由診療の免疫療法があります。
今回免疫療法がクローズアップされ、がん患者さんが藁をもすがる気持ちでこれらのエビデンスのない免疫療法に走ることが大変問題となっています。
免疫療法を検討する場合は以下の点に注意してください。
●まず正しい情報を得ること
参考:国立がん研究センター「がん情報サービス」の免疫療法についてhttps://ganjoho.jp/public/dia_tre/treatment/immunotherapy/immu02.html
現在承認されている免疫療法や適応症が詳しく書かれています。
全てのがんに免疫チェックポイント阻害剤が有効なわけではありません。
また副作用が発生することもあります。
厚生労働省の承認のない自由診療で行われる免疫療法(広義)では慎重な確認が必要です。
●免疫療法を希望する場合は、まず主治医とよく相談すること。あるいは信頼のおけるセカンドオピニオンを受けること。
●各拠点病院には、患者相談支援センターが設置されています。そちらで相談することも可能です。
「がんが消える」などの誇大広告に惑わされないように、どうか冷静に判断されて、正しい選択ができるようにと願っています。
また今後もがんに有効な治療薬が開発されて、がんで苦しむ患者さんが減ることを願って、
厚生労働省、研究機関、医療機関にさらなる取り組みと支援を希望します。
2018年10月9日
特定非営利活動法人がん患者団体支援機構